にわか添乗員の覚書

ここは前置きなしのほうがよ～ござんすね　（笑）



怪しい通りのその奥のまたまた怪しい路地裏界隈のその店の扉は、思いのほか軽く開いてもた　

小さな居酒屋　

Ｌ型のカウンターに７人も座れば満席　

そこに常連客とおぼしきオヤジが両端に一人ずつ。

カウンターにはネタケースと厨房内の大将が無口に仕事する風景

ワシはL型カウンターのちょうど真ん中らへんに陣取る。

お運びの若いお姉さんがオシボリとお箸、突き出しの用意を。

飲み物を聞かれ、お勧めの芋焼酎をお湯割りで１合もらう。

アテはネタケースの中からきびなごの刺身をオーダー。

大将の返事もチラ見で「ハイ」の返事だけ。

メニューは小さな黒板に書かれた単純明快なものが主力。

さて、この間、誰もしゃべらない沈黙の時間。

みんなテレビを見ながらしれ～としている。



もしかして原因はワシか？　　

ましてや写真撮れそうな雰囲気じゃねぇ～し　


確か表で様子を窺っていた時には話し声が聞こえていたのに、一瞬にして空気を凍らせたようだ。

あれだけ勇気を持って入ったのに、店のチョチスを失敗したか？　

この店の名を覚えていたのは何の情報だったのかも思い出せない。





と、ワシの右側のおっちゃんが茶漬けを食って帰る。



と、ソレを機にもう一人のおっちゃんが話しかけてきた。
「芋焼酎は三岳が好きなんですか？」と。

　んなわけなかろうが！　
　お店に入ってオーダーする一部始終を見聞きしてましたやんか！
　「いえ、芋焼酎は初めてなもので、お店のおすすめが飲みやすいかと思いまして・・・」

そこからは怒涛のように話かけられて、そのおっちゃんオススメの芋焼酎でキープのボトルを飲むことに。
来たぁ～～～～！タダ酒。

そのおっちゃんは屋久島の役場の方で、用事で鹿児島に来ているのだとか。
ワシはまだ行ったこともない、その屋久島の話で大盛り上がり。

そんで、この怪しい居酒屋の大将も屋久島出身だそうで、ワシが城山観光ホテルから下山して一人で飲みに来ていることを知ると、余計に盛り上がる　（笑）
大将、めっちゃえええ人やん。
さっきのヘンなオーラは警戒心か！

鹿児島の経済の話や、有力者の話、天文館の裏話、屋久島のコト、さすがは地元の生き字引。
聞きば聞くほどにオモシロイ。


しかし、なんや飲むヒマはあっても、食べるヒマが無い！　
みんなようしゃべる。鹿児島県人は話好きか？

ワシこの時点でまだきびなごの刺身だけ　
料理のオーダーをするヒマさえ与えず、弾丸トークに巻き込まれる。



ここは居酒屋　なんか食いたい！　



途中、カウンターにご夫婦が来店。

料理のオーダーを始めたので、ついでにワシもやっとオーダー。


磯ツブの煮付け　（笑）


屋久島のおっちゃんは明日の会議の時間があるので、そろそろ退散。
残ったボトルは飲んで行けという。（笑）


ありがとう。キモチだけで結構ですわ　
しゃべり疲れたし、ちゃんと食べたいし。



屋久島のおっちゃんが帰り、ホッとしたのもつかの間。

今度は右側のご夫婦の奥様が話しかけてきた　

左に向いてた首が一気に右に方向転換



マジですか？　



その奥様は屋久島と聞いて、黙っていられなくなり、知らないワシにどうしても思いを伝えたかったそうで、ご主人と交互に話しかけてくる。

貝をほじくるヒマも与えないほどの勢いでマシンガントークだ　（笑）

そりゃ～夫婦だもの、片方がくっちゃべってる間に片方が食べ、飲み、そのローテーションで攻めてくる。

さっきのおっちゃんで打ち止めではなかったのだ。

恐るべし鹿児島トーク。

そして、そのご夫婦は天草の方で、鹿児島の温泉に魅せられてかなりひなびた温泉まで網羅しているとのこと。

ご主人ともまたその話で盛り上がる。

今回のワシの鹿児島温泉旅の宿のチョイスから、次はあそこがいいとか、温泉の話は尽きない。

いい加減しゃべり、いい加減食べたご夫婦は　お先に！と夜の街へ消えて行った。



残されたワシは脱力感で、ある意味お疲れ。

やっと静かな時間が訪れたと思ったときには閉店時間が・・・（笑）



ワシは何しに来たんだか！　



この後、近所のラーメン屋さんで１杯引っ掛けてホテルへ戻るハメに。
明日の朝ごはんが楽しみなんやけど、しゃべるとお腹空くのよ　



初上陸の鹿児島　歓迎の洗礼を受けた夜でした　



やっぱ、次も行くよね。この店。
今度はちゃんと食べに　（笑）